別れさせ屋は危ないと思われている方も多くいるかと思います。
別れさせ屋は探偵業の事業の一つなので、別れさせ屋というだけで危ないということはありません。
ただし、中には違法な業者や詐欺やトラブルの根源となっている業者もあります。
本記事では詐欺やトラブルに合わないためにはどのようにすればいいか、丁寧に解説します。
別れさせ屋の利用を検討している方は必ず最後まで読んでいただければと思います。
そもそも別れさせ屋って違法なの?
別れさせ屋は探偵業者が行う事業のひとつで、原則的なことで見れば違法ではありません。
しかし、別れさせ屋が違法となるケースもあります。
ここでは別れさせ屋が違法となるケースを2つ紹介しますので、トラブルにならないように覚えておきましょう。
公序良俗違反
分かりにくい言葉かもしれませんが、日本の法律のなかにも公序良俗という言葉が出てきます。公とは社会のこと、序とは秩序を意味する言葉です。良俗はしきたりのことを指しますが、社会秩序のしきたりを添わない行為は違法であるという意味になるでしょう。
別れさせ屋の仕事をみると、恋人や配偶者などと別れさせることです。この内容そのものが公序良俗に引っかかりそうではありますが、すべてが当てはまるわけではありません。
日本の法律には、貞操義務があります。夫婦は配偶者以外の異性と性交渉をしないという内容です。別れさせ屋がこの貞操義務に積極的に反すれば、公序良俗に反すると捉えられる可能性があるでしょう。
これが恋人同士なら、貞操義務がありません。つまり、浮気相手になっても違法にはならないのです。ただし、あまりに露骨な行為を続ければ、公序良俗に反すると捉えられる可能性はゼロではありません。
そもそも違法行為をした場合
別れさせ屋の工作が、違法な行為だったケースもあります。たとえば、ターゲットの情報を得ようとして住居に不法侵入すれば、完全に違法になるでしょう。不法侵入どころか、窃盗容疑までかかってきます。郵便物をチェックするために開封した場合も違法行為です。
公序良俗は少しわかりにくい部分がありますが、違法行為そのものは一般的に判断できます。このような行為をしていると、契約すべてが違法といわれる可能性もあるのです。
別れさせ屋を利用してトラブルになった例
実際に別れさせ屋を利用した結果、トラブルに発展したケースはいくらでもあります。そのなかでも大きな問題になった例をご紹介しましょう。こうした事例を知れば、どういった点に気を付けるべきか見えてきます。
まったく活動していなかった別れさせ屋
Aさんは、元交際相手だったBさんとその交際相手であるCさんの別れを別れさせ屋に依頼しました。AさんはBさんとの復縁を望んでいたからです。
3か月の期間契約を結び180万円を全額前払いで支払うと、30回の工作を行うと口頭で説明を請けました。ですが、契約書には回数は書いておらず、大丈夫か不安になったのです。
1週間ほどたつと、Cさんに関する情報を精査しているという連絡メールが来ました。しかし、その後はぱったりと情報が途絶えたのです。Aさんは不安になり、直接電話すると、現場の担当者しかわからないと返事され切られてしまいました。そういうものかと思ったものの、何度も繰り返して電話したのです。いつも答えは同じで、なにも進展しませんでした。
Aさんが不信感を募らせていくなか、さらに1か月が過ぎCさんの自宅の写真が届いたのです。工作に入るのかと思っていたら、その後も全く進展はなし。状況の説明すらないなかで、突然動きなしという内容の連絡が届いたのです。
さすがにAさんもこれだけなのかと思い、担当者にさらに連絡を入れてクレームを入れようとしました。やはり連絡もつかず、契約期間が終了したのです。
これには納得ができず、事務職にはっきりとクレームを伝えると、無料で2か月延長するという提案されました。それなら仕方ないと思いまっていたものの、成果が出なかったと連絡がきたのです。何枚かの写真がついていましたが、そこには依然贈られた写真と同じようなものが映っており、明らかに活動していないことがわかったのです。
これ以上は信用しても無意味。高い授業料を支払ったと思い、Aさんは契約を打ち切りました。
殺人事件にも発展したケース
別れさせ屋を依頼したDさんは、妻と離婚したいと考えていました。別れさせ屋の活動は功を奏し、工作は成功。妻と不倫関係となり、それをわざとリークさせて離婚するように進めていったのです。
妻は離婚後も交際していましたが、別れさせ屋に利用されたことを知ります。この妻は別れさせ屋の工作員に詰め寄り別れ話を切り出しました。
ところが、別れさせ屋の工作員が激高。妻を絞殺してしまったのです。
非常に大きなトラブルになったわけですが、短絡的で自己中心的な行動であったとし、工作員に懲役15年が言い渡されました。
注目されていたのは、依頼したDさんでした。こちらは罪に問われることはなかったものの、目的のために手段を択ばなかった工作を依頼したことは、甚だ遺憾であるという批判を裁判官から受けたのです。Dさんは妻の遺族から、損害賠償請求を起こされています。もちろん、別れさせ屋もその対象でした。
別れさせ屋を利用してトラブルを避ける方法
別れさせ屋を利用するなら、トラブルを避けるためになにをするか、確認事項も覚えておかなければいけません。
公序良俗に反する行為の提案
公序良俗に反する行為は、主に2つ考えられます。
- 夫婦関係にあるものに対して肉体関係を持たせて別れさせること
- 脅迫や暴力によって別れさせようとする場合
これらは公序良俗に反する行為になる可能性があるでしょう。別れさせ屋はハニートラップを使うがよくありますが、肉体関係を持つことを進言してくるようなところは、トラブルになる可能性を秘めています。夫婦関係であることがポイントとなるため、このような提案をしてくるようなところは回避するべきです。
違法行為を提案する
どうしても情報を確保するため、住居の不法侵入は当然違法行為です。ほかにもGPSの設置も違法行為にあたります。工作過程でこのような提案をする業者はかなりトラブルを抱えていると考えていいでしょう。
違法性の高い行為はほかにもあります。内容に関して質問しても、うまく答えられないようならトラブルになる可能性が出てくるのです。
トラブルを避けるための別れさせ屋の選び方
1.探偵業許可
探偵会社が別れさせ屋を営むのなら、違法性はかなり低くなります。これは尾行調査に対して探偵業許可がなければいけないからです。尾行なくして相手の情報は得られません。結果として探偵業でなければできないことになるでしょう。もし、探偵業許可がなかったらどうなるかといえば、ストーカー規制法や迷惑防止条例に抵触する可能性があります。
許可がないから即違法業者というわけではありませんが、トラブルを避けるためには事前確認が必要です。これだけでかなりのリスク軽減になります。
2.会社謄本
探偵業として登録しなければ営業できません。この場合、会社として登記することとなるため、会社謄本が存在します。
会社謄本を見れば、代表者や住所などがわかるのが重要です。これらの情報から検索すれば、別れさせ屋としてトラブルに発展させないかの判断ができます。
もし、登録がないのであれば、トラブルになる可能性が高まるでしょう。たったこれだけの情報でも判断材料としては有効です。
3.ホームページなど公開情報
ホームページを使って集客している業者は増えてきました。そのなかで代表者は顔を出しているケースがほとんどです。なぜならば、文字情報だけでは信用性が低いと判断されやすいことから、しっかりした業者なら代表者が顔を出しています。
顔を出すことには、組織体制のポイントもあります。小さな組織の場合、代表者も実働部隊のひとりです。顔を出してしまえば、面が割れてうまくいかないかもしれません。経営としてリスクが高まるのです。
組織がしっかりと育っているのなら代表者は経営に集中できます。顔を出しても面が割れる危険はないのです。後悔情報を見るだけでも、トラブルに発展しにくい業者の選別に役立ちます。
4.インターネットの情報だけで決めない
インターネットの情報を使って別れさせ屋を探すのは一般的な方法です。ですが、この情報だけで決めると、リスクを高める可能性が出てきます。
「実際に事務所は実在するか」、「メディアでの露出をしているか」、「電話番号は携帯でないか」等、違った角度からも疑ってみてください。
まとめ
別れさせ屋自体は違法ではありません。危険というわけでもありませんし、トラブルを抱えるわけでもないのです。問題は違法なことを知って活動している業者がいることにあります。このような業者に依頼してしまえば、トラブルになる可能性が高いのです。
違法業者がいるのは事実ですが、大事なことは見分けるための情報判断にあります。しっかりと情報を集めていけば、健全な存在なのかもわかるはずです。
リスクを回避するのは、情報以外にありません。こまめに情報を集めてから行動することは、成功確率も上げられると覚えておきましょう。安心できない業者とでは、手はつなげないからです。